手術日の当日を迎えました。
前日は殆ど眠れず生きた心地がしませんでした。
頭の中がぐるぐるしています。
病室は一人部屋でした。
約、4、5ヶ月ぶりに会う母。
見ると、明らかに以前より痩せ細っていました。
実際、検査で大腸がんが発覚して3日後くらいの手術でしたからその間に相当我慢していたようです。
もともと母は我慢強い性格でした。
そして、手術。
確か、手術の時間は10時間くらいだったと記憶しています。
朝から始まって終わったのは夜でした。
結果、手術は無事成功。
この時、執刀医の先生が神様の様に思えました。
切除した大腸には拳大の癌の塊がへばりついており、衝撃的でした。
これは、緊急手術だ。こんなになるまで我慢していたのか。と驚きました。
あの切除部位は頭から離れません。
その後、僕と姉は医師から診断をその日に受けたと記憶しています。
記憶では、医師から聞いたのは、大腸がんでとりあえず手術は成功。
これは、手術当日か、次の日くらいに貰った診断書です。
癌の転移が見られます。という診断でした。
しかし、あの状況でしたから手術で取り切れない癌等もあり、リンパなどにも散らばっていたようで、ステージ3。
余命半年と聞きました。
これは、後日貰った血液検査です。
CEA(腫瘍マーカー)の値が9.6になっていました。
僕は、手術がひとまず成功して安堵したのもつかの間。
余命半年と聞いて、血の気が引きました。
なんというか、現実じゃないような、ふわふわしたような気分になりました。
冷や汗かいたのを覚えています。
その後、抗がん剤の治療が始まりました。
僕は抗がん剤の副作用などについて少し知っていたので、正直抗がん剤を使うことが怖い、心配という気持ちでした。
しかし、医療関係者というわけでもないですし、母も姉も抗がん剤治療を受けるということに対して同意していましたので、結果的に抗がん剤治療を受けるという方向で話が進みました。